Mayumi Nakao
Artworks
中尾 真弓 1985年兵庫県神戸市出身。 大阪のデザイン専門学校のイラスト学科を卒業後、2013年に単身ニューヨークへ移住。アートスチューデントリーグ在学時に本格的に油彩による作品制作を開始する。 現在、ブルックリンを拠点に活動の幅を広げている。 彼女の作品の魅力は、作品から感じる温かな物語性にあります。日本から単身渡米し異国の地で抱えた孤独感は、NYの(ガーナ出身の)友人の持つ家族写真を目にした時に爆発的に彼女の中でひとつの真理へと昇華します。家族や友人との愛情や絆、それら親から子へ、人から人へと綿々と伝えられてきた思いに、人種や文化や国による違いはなく、(時間や空間をも超越した)人類に共通の愛情であることを、彼女は自身のアート作品を通して”shared nostalgia”「ノスタルジアの共有」として表現しています。 特徴的な鮮やかな色彩は、各色が主張しつつも、どの色もそこにあるべきで調和がとれていて、豊かな自然の中にいるような感覚を覚えます。また独特の遠近感やスケール感によって、多くの情報が一つの画面に存在(混在)しつつも、その全てに焦点が合っているような、まさに私たちが懐かしみ思い出す記憶の中の映像のように表現されています。さらに子供を中心にした家族の絵の中に、ペプシコーラやミッキーマウス等の西洋文化に象徴的である身近な製品や食べ物が登場します。これらは家族の愛情や友人達との温かな思い出の象徴でもあり、それが文化や国や人種を超えた人類共通の愛情であることを示唆しています。