Koichi Yamamura Gallery

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Minato-ku, Tokyo, 106-0045

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©KOICHI YAMAMURA GALLERY 2023

Exhibition Date Category

Balck Box “Ivanny Pagan”

24, October, 2025
- 22, November, 2025

新作ドローイングシリーズ「Black box」発表のお知らせ このたび、イバニーは人生を通じて深く結びついた映像の記憶をテーマにした新作ドローイングシリーズ「Black box」を発表いたします。本シリーズは、テレビ番組、映画、ビデオゲームのシーンを木炭で丹念に描き直し、記憶と体験を精神の地図として表現しています。幼少期の個人的体験や文化的記憶、愛や葛藤、社会的経験が複雑に織り交ざった作品群となっています。 作品群は、CRTテレビの記憶を掘り起こす試みとして、過去に所有していたテレビのポートレートやミクストメディア作品も含まれます。これらはウィリアム・ギブスンの小説『ニューロマンサー』冒頭の一文、 ―「港の空の色は、写らないチャンネルのテレビの色だった。」 にオマージュを捧げています。 この一文は、一般的に灰色の砂嵐のようなノイズ画面を指し、静謐で未知、そして無秩序の象徴とされています。また、この表現は、20世紀初頭ロシアの画家カジミール・マレーヴィチの抽象絵画を想起させます。マレーヴィチは抽象を通じて物質の本質や精神性を探求し、1920年代の宗教から共産主義体制へと移行する激動の時代において、絵画が神聖な生活の一部であった文化的背景を持ちます。 現代では技術や映像の発展に伴い、かつて神のように崇められたものが若者文化の中で新たな意味を獲得し、多様な役割を果たしています。こうした文化的変遷や映像をめぐる記憶の複雑さを探求することで、本シリーズの作品は鑑賞者に深い洞察をもたらします。 【展示情報】 会期:2025年10月24日(金)~11月22日(土) オープニングレセプション:10月24日(金)17:00~20:00 会場:Koichi yamamura gallery 〒106-0045 東京都港区麻布十番3-8-6 グランパセオ麻布十番1F アクセス:東京メトロ南北線・都営大江戸線 麻布十番駅1番出口より徒歩4分 営業時間:火~土 11:00~19:00(日・月・祝休) お問い合わせ:070-4479-8124 / info@koichiyamamuragallery.com

Rieko Tsuji “All is Love”

1, February, 2025
- 16, February, 2025

Opening Reception: Feb.1(Sat), 2–5PM

「All is Love」は、ジェンダー平等とクィアな人間関係について言及したビデオインスタレーション作品である。
作家自身が手縫いで制作した8体のぬいぐるみたちが、様々なジェンダーアイデンティティやセクシャリティを持つ人々のアバターとなり、愛や繋がりについてディスカッションを行う。
性別などから期待される役割やステレオタイプを見直し、より居心地のよい他者との関わりを築くための思考の場を鑑賞者に提供する。

作家とディスカッションの参加者は、事前に対話を重ね、参加者がどのようなアバターとしてのぬいぐるみになりたいか、どのようなファッションを身に纏いたいかなどのイメージを共有した。ぬいぐるみの素材には、ベルリンのクィア・コミュニティにて催されたクロージング・スワップという洋服の交換会で作家が手に入れた古着が使用されている。誰がネクタイを締めても良いし、誰がスカートを履いてもいいというそのイベントでは、性別によって着るものを制限しないとい うアイディアが重視されている。

また、リサーチを進めていく中で、トランスジェンダーの人々が身体的な特徴を変更するために行 う手術についての話を聞いた作家は、その過程を追体験するという目的で、もともと形ある素材 を切り、針と糸を使いリクエストに応じた姿に合わせて作るという制作プロセスを選択した。
また、女性的な印象を持つ手芸・裁縫に対する制作過程に含め、作品を可愛らしいビジュアルに 落とし込むことは、クィア・カルチャーやフェミニズムを語る女性作家にしばしば向けられる、 中性的で、力強いロールモデル的なキャラクター像への期待にあえて応えないという試みがある。
タイトルの「All is Love」は、作家がクロージング・スワップにてある人から譲り受けたパーカーに描かれていた文字からとられている。自身の属するカテゴリーを決めず、物事の「らしさ」について掘り下げる作家の活動は、人々に多角的な愛のあり方について問いを投げかける。

作家が現代美術に興味をもつきっかけになったのは、2012年10月27日東京都現代美術館の展示会 フランス人アーティスト、セレスト・ブルシエ=ムジュノの作品だ。

水に浮かぶ磁器のボウルが水面をゆっくりと循環しながらカチャカチャと音を立て、予想外の音楽性を持つパーカッシブなサウンドスケープを生み出す。フランス人アーティスト、セレスト・ブルシエ=ムジュノは、この建築的特徴であるガゼイションプールを屋内に持ち込み、「一種の夢」と表現するものを創り出した。「ボウルは目に見えない力によって動かされ、水の存在は魅力的です。それは物体の間に完全に自然なつながりを生み出します。不確実性と浮遊感の間にあるこの種の状態に自然に惹かれます。」 サウンドスケープ

音を風景として捉える特定の音や環境といった対象を指し示す言葉ではなく、環境の音を人々がどのように知覚・理解するかに強調点を置き、音と人間環境との間に取り結ぶ関係性に注目する概念である。 もっとも作家自身が影響受けたのはSophie Calleの作品だ、Sophieの自身が定めたルールに基づいて他者の人生に向き合った作品すなわち、辻は自身の中で生まれた私欲的な感性を形式に表見している。